俺は、今ポータブル星から帰って来た。
そこにはドラゴンの森が広がっていた。
飛び立つ前はこんなにジメジメした地では無かったのに。

大地を踏みしめる音がいやに高く聞こえた。
両眼を焼く緑一色の中、動く身はただこのひとつ。
しかし気配は満ち満ちている。
大地が、空が、知覚が、直感が、声なき叫び声を上げ続ける
時は目前に迫っている。
竜たちの世界。
燃える潮風の中、緑に閉ざされた山々の狭間にも
しかし確かな鼓動が息づいていた。
それは例えば細い火を囲む温かな笑顔たち。
それは例えば洞穴に潜み獲物を待つ爪と牙。
極限で繋がれる命は常に掛け値ない、しなやかさを得る。
時は満ちた。
無慈悲な大気は、淡々と震え、
彼の者の咆哮を乗せてくる。
それは例えば霊峰を統べる旧き
暴君。
粗野ゆえに時に他の命をも消さんと荒れ狂う。
心せよ。新緑の世界が牙をむく

8/20 13:31

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