十十十十十

「はぁ……おい、いつまで泣いてんだ」

基地に戻り直ぐにあろまの所に連れてこられた隊長は、緊急手術の後無事に一命を取りとめた。

俺はと言うとまだ眠っている隊長のベッドの横で泣いている。

「だって…死ぬかと…思ったんです…」

グズグズと鼻を啜りながら止まらない涙を拭う。
今俺は酷い顔をしているだろう。

「アホか、コイツのしぶとさと俺の腕があれば死ぬことなんて滅多にねぇよ」

使い終わった器具を片付けながらあろまは何処か得意げに言った。

「でも…なんで俺を助けようなんて…俺が死なないってことは分かってるはずなのに」

俺と違って隊長は死んでしまうのだ。

隊長が死ぬなら俺が代わりになるのに。

「…それなんじゃねぇの？」

「…え？」

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