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隊長と死なない新参兵 #56 |
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ココアナ |
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ガタンと音がする方に顔を向ければ、呆れた顔をしたあろまが立っていた。
「どうだよ、腹の調子は」
「腹…?」
「お前、痛みのショックで記憶全部無くなったんか?お前腹撃たれて気絶してたんべや」
あろまの言葉に腹に手を伸ばせば、包帯がぐるぐるに巻かれていた。
触れればずく…と鈍い痛みが走る。
「いつっ…」
「アホか、傷口開くぞ」
慌てて手を引っ込め、再び泣きじゃくっているFBに視線を向ける。
「おい、いつまで泣いてるんだ」
「だって…隊長が死んじゃうかと思って…」
いつもの笑顔や声からは信じられない姿だ。
ぐすぐすと泣いていたFBはサングラスを取り、涙を拭いこちらをじっと見つめた。
ずっと泣いていたのだろう、目が赤く腫れている。
「たい、隊長。なんでっ、なんで」
しかし話の途中で再びボロボロと涙を流してしまう。