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隊長と死なない新参兵 #58 |
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ココアナ |
5/23 2:49 |
「まぁ、なんだ。俺には弟がいてな…簡単に言えば、その弟に命を助けられたんだよ」
「弟に命を…?」
俺の言葉にキョトン顔で首を傾げるFB。
「…大人数人に追っかけられてな、そいつら銃持ってたし、俺たちはまだ子供だったし…手も足も出なかったんだよ
まぁそれで…不運にも行き止まりにあっちまってな、撃たれる寸前に弟が俺を突き飛ばして身代わりになったんだよ」
「え、それで隊長はどうして…」
ベッドに寝たままの俺に心配そうな表情を向けながらも話の先を進める。
「…弟が撃たれた後に、兵士に助けて貰って拾われたんだよ」
目を閉じれば今でも鮮明にその光景は思い出せる。
多分、いや絶対この記憶は頭から離れることは無いだろう。
「…はは、昔のお前の方が辛い過去だよな、俺なんか弟守れなかったし…」
ホント、駄目な兄ちゃんだよな。
ごめんな、守ってやれなくて。
「…そんなこと無いですよ」
自虐的に言った言葉に、しかしFBは首を振り否定した。