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惡の華は2度咲く #10 |
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ココアナ |
5/25 13:15 |
胸をはって仁王立ちしながら言ったきっくんは、純白の翼をバサリと広げた。
「で、でも…大丈夫なの?きっくん大天使だったんだろ?堕天したら天界のヤツらからものすごく怒られるだろうし、下手したら殺されるかもだし…って、ていうか、もう二度と天界に戻れないんだぞ?それでも堕天するの?」
俺が言うと、きっくんはやれやれと首を振った。
「実は俺、天界にもううんざりしてたんだよねぇ。ルール厳しいし、上のヤツらは煩いし…
しかも!一番俺が求めてる、『冒険感』が全く無いんだよ!」
そこまできっくんは言うと、ふぅ…と溜め息をひとつこぼした。
「…俺、本当はずっと魔界に行ってみたいと思ってたんだよね、自由だし。楽しそうだし。
だから、いつか天界から抜け出そうとずっと思ってたんだわ。」
きっくんはにっこりと笑うと
俺の手を握った…が、
まだ堕天してなかったきっくんは、案の定焼けるような痛みが手に走り俺と同時に手をバッと離す。
「いってぇ!きっくん!まだ堕天してないってこと覚えてる!?」