「生きてるのか!?」
青山が珍しく大声を出したため、梶は驚いて青山を見た。
『あー、顔面大火傷で、骨折もしてるがな。生きてる』
電話越しに仲介業者は間延びした声で言う。
昨夜、岸本晶の家から逃げ出した二人は、ひとまず青山のアパートに行った。疲れていたのだ。そんな青山の下に一夜明けた今、仲介業者から電話が来た。仲介業者の口からは、岸本晶が生きていること、そして青山と梶を探していることが伝えられた。
電話を終えた青山は、梶にその事を伝える。
「マジ?」
「あぁ、マジだ。総力あげてここに来ている」
「あ!てことは、俺達が岸本を返り討ちにすれば…」
「無理だ。岸本は入院中、本人は来ないだろ」
青山は頭を掻く。病院に潜入するという手もあるが、岸本晶の部下がいるかもしれない。逃げ回るのも得策ではない。