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秘密組織魔王結社 #3 |
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ココアナ |
7/14 0:12 |
中から無機質などうぞ、という声がして、急に現実感を取り戻し始める。 でももう扉は半分程開けている途中なので、今さら引き返せもしないのだが。
「なるほどなるほど。一週間ほど前から私物が消えていって、おかしいなと思っていたえおえおさんはそれでも今日まで気のせいだと思い込んでいましたが、今日の昼休みにこれまた私物の昼寝用枕が消えていてとうとう怒り心頭、生徒会に足を運んだ……と」
「はい、間違いありません」
「そうですか。ひとつ、いいです?」
「はいどうぞ」
「えおえおさんって、天然?」
「いえ、俺は真剣です」
「わぁお」
外国人みたいなリアクションをされても、俺はいたって真剣なのだから何も言わない。
初めて入った生徒会室はまるでどこぞの企業の社長室、とは言い過ぎにしても、応接室ぐらいの雰囲気があった。
案内されて座った椅子はパイプ椅子なんてものではなくしっかりとした二人掛けソファで、漆塗りの重厚なテーブルを挟んで反対側に同じソファが置かれている。
壁際にあるホワイトボードのおかげで、ここが社長室でも応接室でもなく、ただの学校の生徒会室だと思い出した。