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混沌の世界からようこそ 8 |
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ココアナ |
8/14 16:25 |
「トントン、体調はどうや?」
「え?た、体調は……!?」
俺は何となく声を出した。が、
自分の出した声の違和感に今更ながら思わず言葉を詰まらせた。
なんだ、この声。
今気がついたが、何度も何度も聞いた自分の声じゃ…ない?
思わずそっと喉に手を伸ばす。
「?どうしたトントン、喉が痛いんか?」
その俺の動きを勘違いしたスーツの男は慌てた様子で立ち上がり薄水色の髪の男から程よく温まったタオルを貰い、俺の喉に乗せてくれた。
いや別に喉が痛いわけじゃないんだけど。
俺は困惑しつつも「ありがとうございます」と笑った。
この行動からして俺の事を本気で心配してくれているようだ。演技にも見えないし、どうやらこの後俺が拷問されるという線は薄くなったな。
そう安堵する俺だったが、何故かスーツの男の顔は冴えなかった。
「ど、どうしたんです?」
「ト、トントンが俺に敬語使ってる…やと…?」
俺は意味が分からずに首を傾げた。