俺がいなくても進んでいく世界にいるのが、何よりの幸せ。
　別に誰も俺を知らなくてもいい。
　ただ、誰にも迷惑をかけずに過ごす事が自分にも、他人にもいいことなんだと感じていた。

　だが、自分が消えたいという願いは、叶わないらしい。
　毎日、変わらず同じように過ごして、変わらぬ人々を眺める。
　くだらない願いだけが叶えられ、大切な願いはいつのまにか消えて無くなる。
　そんな日々に飽々して、娯楽に逃げる。
　俺も今では廃人の一人だ。
　部屋にとじ込もって、テレビ、パソコン、ケータイ、ラノベ、漫画、をみて、やってを繰り返して一日を終える。
　23歳になっても、俺はそんな日々を続けた。
　この体も、運動不足なのか栄養不足なのか、自由に動かない。
　俺は、一日の大半を、睡眠にとるようになった。

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