眠りが浅くなったのか、目を閉じたままでも全身の感覚が伝わってくる。
　ふかふかのベットで寝ていたのに体が痛く、口からは若干、土の味がする。
　昨日は珍しく夜遅くまで起きていたため、未だに眠たいが状況確認のため渋々、ゆっくりと目を開ける。
　部屋の壁でシャットアウトされていたはずの太陽が俺を照らし出す。
　見慣れたビルや交通機関の代わりに、周りには青々と木々が揺れている。
　予想外の事態に唖然とする。
....ここは、どこだ？
　暫く放心状態だった体に反し、思考は既に推理し始めていた。
　ーーあぁ”また”か。
　別に今の状況が何度も繰り返したわけではないし、解決策がわかった訳でもない。だけど原因は自分にとってわかりやすいものだった。
　子供の頃に疑問を抱いてから、すぐに理解してしまった、俺が持っていて普通の人間は持っていないもの。
　大人になって、余り使わなくなったもの。
　ただ、今の状況をみて無意識に発動してしまったものだからだ。

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