「あれ、イズマさん、帰らないんですか?」と声をかけてみると、イズマさんは振り返って少し笑って答えた。
「もちろん後で帰るよ?でもその前にご飯をご馳走しようかな、と思って」
「そんなご馳走になるだなんてそんな」
イズマさんは僕のほうに来て後ろから両肩をポンポンと叩いた。
「そんな事言わなくて良いの!信彦君は頑張ってるんだろ?
頑張ってる人にはご褒美がいる。
ここで残って頑張ってる人がいるとき、僕はご飯をご馳走してるんだ」めっちゃいい人だ…っ!
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらいます」
「そう言ってくれると思った!
ところで、パスタは好きかい?」
「あ、はい。好きです」
「なら良いんだけど。ところで
ずっと敬語なの?ここ、みんなタメだからさ、タメでも良いんだよ?」
いや、ずっと敬語なわけではないんだけど…
「えっと…その…」