シアンさんを追いかけて2階に上がるとそこを中心に廊下が左右に分かれていた。
両サイドにそれぞれいくつかのドアがあり、それぞれの部屋に通じていた。
シアンさんは僕たちから向かって左側の一番手前のドアを開けた。
「ギタールームへようこそ。」
シアンさんはほほ笑んだ。
壁を一周するようにしてギターが懸架されている。メンバーの物だろう。僕はしばらく眺めていたが珍しいものがあるのに気が付いた。
「これ、ダブルネックですか?」
シアンさんは嬉しそうに答えた。
「そうだよ。私のなんだ。」
僕は驚いた。
ダブルネックとは2つのギター系楽器を一つに合体させた物だ。
シアンさんの物はギターとベースのダブルネックだ。
弾きこなすのは非常に難しい。