…。…?
脳内をクエスチョンマークで埋め尽くしていく。
そう、確かにそこには何かが存在していたはずだった。
「何」の真髄を見いだせないまま、時の歯車は無情にも進む。
沈む。沈む。顕在から潜在へ。深く。深く。
暗中に僅かに見えたのは、大きな図書館。扉に触れて、溶け込むように中へ入れば取り囲むのは膨大な資料。そして――
光を放つ正八面体、様々に輝く宝石たち。
記憶が宝石の欠片となる精神世界。この図書館はそう、まさに彼彼女自身そのものであった。
舐め回すように宝石の陳列を眺め、薄ら笑う。
「やっと、見つけた。」
今の私に必要なもの。
こんなに綺麗な色だったかな。
「…二重根号の計算式。」