梶の顔色が悪いのに気がついたのは、国道を走っているときだった。
「どうした?」
「いや…なんでもない」
明らかに様子がおかしい。
「さては…酔ったな」
「…」
図星のようだ。
「仕方ない。あのコンビニに寄るとするか」
青山はハンドルをきり、コンビニの駐車場に車を停めた。途端、梶は急いで車から出てコンビニへ走っていった。
「お前は行かなくていいのか?」
青山は登に尋ねる。
「大丈夫です」
ハンドルに腕を乗せ、青山はこれからについて考える。岸本晶も馬鹿ではないだろう。簡単に一人になるとは考え難い。
(どうしたものか…)
背広の男二人が車に押し入って来たのは、梶がコンビニに入ってから二分程したときだった。