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喫茶店ペニー・レインの事件簿 四章 56 |
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Nobu4423 |
1/25 13:16 |
「これで良し、と」そう言うやいなや、シアンさんはいきなりロストワンの号哭を弾き始めた。
しかもベースとギター同時に。
しかもギターに至っては難易度の高い単音パートだ。
あまりの凄さに僕はしばらく文字通り固まっていた。
「はい、動け!」1番のサビを一通り弾き終わった彼女の声に石化を解かれて我に返るまで、1分以上僕はただ氷漬けにされたマンモスのように一ミリも動く事ができなかった。
僕は石化を解かれるとうなだれた。
自信がカナヅチで叩かれたガラスの様に砕ける音がした。
なんなんだこの人達は…
自分を取り戻すまで3秒もかかった。いや、ここは3秒で立ち直った僕を褒めるべきだろうか。
そして顔を上げた僕へ僕がそんなことになっているなんてこれっぽっちも思っていないシアンさんは話を進める。「で、なんでこんな事になったかと言うと…」シアンさんは1箱のダンボールを引っ張り出してきた。
そこから五枚の紙を取り出した。