青山は最初、岸本晶からの追っ手かと思った。だが二人組の顔を見たとき、そうではないとわかった。同時に一年前の記憶が甦る。
「やっと見つけたぞ」
二人組の、小柄な方が言う。そして青山に拳を突き出した。間一髪で避け、青山は蹴りを放つ。小男が後方へ吹き飛び、登の前に倒れこむ。登は急な来客に戸惑っているのか硬直していた。大柄な方が腕をしならせ裏拳を放った。青山はそれを左腕で防ぐが、大男が体を捻って手刀で青山の足を払ったため、バランスを崩した。その隙を狙い、大男が青山に掴みかかる。青山は手を相手の胸板に当て、接近を防いだ。大男の後ろで小男が立つのが見える。
(まずいな…)
青山は窓の外を見た。するとコンビニから出てきた梶と目が合った。