甘
「ありす*、不本意だけど
あんたしかいない
みたいね。頼みがあるの。」
仁
(とまらないゆび、とまらない
こどう。)
ゆうと
「さっきのピアノ、誰の
曲だ?」
仁
「僕の曲だけどそれが何、今
それどころじゃ」
ゆうと
「お前、軽音だろ?」
仁
「そーだよ、もうすぐライブ
だよ、見てけば!」
ゆうと
「軽音を…見てけいおん…」
仁
「あーもー、何なんだよ、
誰きみ!」
(6年目の春。ようやく僕らは
まわりはじめる。)
ゆうと
「俺か?俺は1年S組の
ゆうとだ。お前は?」
仁
「…僕は1年A組の仁…。」
ゆうと
「フーン、作曲中か?」
仁
「だったらなんだよ、
見るなよっ、」
ゆうと
「へぇ、自分以外が
作曲してるとこ初めて
見た。
邪魔したな、まつ毛。」
仁
「まつ毛言うな!何のために
名乗ったんだよ。」
ゆうと
「悪い、まつげった。」
仁
イラッ
「わかったから、ライブ
来いよ。…変な奴…。」
ゆうと
「素人のライブねぇ…。
気が向いたらな。」