そして現在、助村と格田が岸本晶の腕を掴み、車椅子から引きずり下ろしている。その際、怪我に響いたのか、岸本晶が苦痛の声を出した。構わず二人は岸本晶を引っ張った。岸本妻はまだ何が起こっているのか把握できてないようで、呆然としている。いつの間にかシルバーの車が停まっていた。水戸グループのもののようだ。車内に押し込められる寸前、岸本晶が
「卑怯だぞ!殺し屋!」
と叫んだ。それに対し梶は
「卑怯が殺し屋の日常だ。覚えとけよ」
と返した。
「わけのわからないことを…」
青山は呆れる。
そして岸本晶は水戸グループに連れていかれた。
「親父さん、行ったな」
梶が登を見る。しかしそこに登の姿はなかった。
「は!?どこいった」
「逃げたんだろ。放っておけ」
青山は言いながらも、
(いつの間に…)
と思っていた。