CHIBI QUEST 3

殺し屋の非日常#36

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窓を突き破り侵入してきた赤い巨体。それは車だった。消防車に似ているが、戦車の大砲のような筒がついていた。急な出来事に社長や社員は呆然としている。すると筒から液体が噴射された。青山は隙を見て車に駆け寄る。
「な、何だ!」
液体を浴びせられた人々は混乱する。その中で、逃げる青山に気づいた社員が銃を構えた。
「撃つな!」
格田が叫んだ。
「油だ。火花で引火したら大変なことになるぞ!」
「ご名答!」
車の運転席から梶が声を出す。
「気をつけろよ。ホワイトハウスは余裕で全焼だからな」
「今回はこの油で正解だな」
青山が助手席に飛び乗る。
「にしても鯨はこんな車も持っているとは」
「こないだのキャンピングカーも合わせると、かなりの料金だな」
「報酬が飛ぶな…」
青山はうなだれる。
「おい!卑怯だぞ!」
社長が叫ぶ。
「卑怯が殺し屋の日常なんだと」
「あ、俺の台詞!」
梶が文句を言う。
(また逃げる日々が続くな…)
青山は憂鬱になる。しかし
(こんな非日常もいいか)
と思っている自分に気づき、苦笑した。




次回、最終話(文字数次第)

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