朝食を五分足らずで食い終わると、時刻は七時だった。
「ごちそうさま!」
と言い、歯磨きを済ませると、鞄を持ち、靴を履く。
「今日は雨になるらしいぞ。傘持ってけよ」と父に言われ、傘を持つと、
「いってきま〜す!」と扉を開け、家を出た。
―が、勢いよく飛び出した先は、いつもの見慣れた景色ではなかった。
「ここはどこだ?」と混乱しながらも見慣れない景色を眺めていると、不吉な予感がした。
ガチャンッ!後ろでドアが閉まったのだ。そればかりではないドアがだんだん消えていく。
状況の整理ができず、数秒間立ち尽くすと、やっと自分の置かれている状況に気づき、
ドアノブに手を伸ばすが、ロックがかかっている。
この状況はバカな俺でもわかる。
―俺は全く知らないこの世界に閉じ込められたんだと―
体中から冷や汗が出て、心が焦りや絶望で満たされる。
すると突然、眩暈がした。必死に抵抗するも俺は倒れた。