イエスはそのユダヤ教とパンテオンの考えのいいとこどりをしたように思える、善と思えることをやれ、それがたとえ神から見て悪だとしても、そこには純粋な感情を通しての行動だけを肯定しており、自分が神による最後の審判を通過するために（救われるために）他人を助けるのではなく、助けたいと思ったから助ける。しかし隣人を助けるのではなく、善きソマリア人のように、盗賊に襲われた名も知らない人に全財産を費やして、

助けるような行動を神も認めている。救われるからするのではなく、あくまでも内から湧く感情をイエスは神が重視していると伝えた。しかし中世になると資本主義の精神の中に、ユダヤ教的価値観（信じれば救われる、助ければ救われる）が入り、その結果私たちは稼いで、その稼ぎを資本の構築に使ったから神に救われるのではないかという都市伝説が生まれた。その結果資本主義は加速し、信仰は資本主義に埋もれて忘れられた。

同じ一神教で、イスラム教があるが、どうやらユダヤ教とキリスト教の良いところを取ったらしい、その結果一神教としては完成しており、戒律による争いや宗派による争い自体は起こりにくいものとなった。その内容は、「天地が創造された時から、神は誰を救うか決めており、いくら善い行いをしようとも、そのリストが変わることはない。よって好きにすればよい。」という内容で、その結果問題は起こりにくくなった。

それに対してキリスト教は完全な宗教ではなく、分かりやすい善や悪という概念がない。イエスはそこを自分自身で考えるべきであると思っていたようで、明確な線引きはいまでもされていないだとか、その結果先ほどのような、カルヴァン派による資本主義の構築などという面白い現象が起きた。

ここで一つ具体的な例として、善か悪か分からないということを理解しやすい漫画があるので、冒頭だけ紹介すると、

ある医者が、急患で運ばれた少年の手術と、市長の手術でどちらを選択するか狭まれていた。その医者は以前に病院と深い関係のある者から手術をした結果、その前にいたトルコ人の男性を亡くしていたこともあり、今回は少年の手術をした。その結果市長は死に、

病院においての出世はもう不可能ということになったが、医者は自分が正しい選択をしたということと、現実の乖離について嘆いていた。その夜殺人事件が起こり、少年が消えていた。実はその少年はとてつもない殺人鬼で、正しいと思って行動したが、実は正しくないと分かった医者は、その少年を殺害しようと計画して、どうにかして少年を世界中で探すという漫画。

まとめると、キリスト教は人間の弱さを理解していて、それに対して自分を神が強めてくれるとする宗教。全知全能の神が不完全な人を見るのはなぜかというと、神はスリルを楽しみたかったから。それに対してイスラム教は、全てが決まっているので、覆しようがない。

懐かしいのがいるな

いかれてる