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【小説】弱者よ、矛を持て1 |
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ようそろ |
3/3 12:50 |
1.夜の嫌がらせ
今夜も何かが割れる音がした。
ここ最近、毎晩この音が聞こえるので安心して眠れない日々が続いている。
何が割れたのかはもう分かっている。家の窓だ。
もちろん窓が勝手に割れる訳がなく、誰かが割っている訳だ。
その犯人が政府軍の奴らだと知ったときは、正直驚いた。
ついこの間までは、このような嫌がらせは無かったのだが、この国の首相が変わってから、俺達アヤタ民族は迫害を受け始めたようだ。
こんな嫌がらせはまだ軽い方で、政府軍に殺された奴も居る。
この街の住人は、政府軍に従っている状態だ。
でも、俺にそんな気はさらさら無かった。
「絶対に、政府の飼い犬にはならない」。