加賀さんの背後に回り込み、準備は完了だ。腰から手を這わせて、脇を擽る。口元のニヤけがおさまらない。
「フフフフ〜♪どおだ〜♪」
「ひゃ!!?しょ…かくぅ…!!」
おぉ可愛い。頬が紅潮し、自らの脇腹を抑え私を睨んでいる。
加賀さんが擽りに弱いのは前々から知っている。
「…覚えてなさいよ」
奇襲の際に落とした本を、拾い上げ栞を挟んだ。
「やだなー、ご飯の合図ですよー」
適当な言い訳を述べ、あらかじめ御盆に乗せていた料理を運び、机に置いていく。
「なんだか豪華に見えるのだけど。」
そりゃ加賀さんが来ましたから、とは言わず気のせいです、とだけ返しておく。
可愛い加賀さんはいつでもwelcomeだ。