古より伝わりし天界に暮らす二人の兄弟がいた。二人の神と民が織りなす神話
『天照』
一の巻 明を隠す暗黒なる影
小さく灯る蝋燭の灯の如く、ひっそりとひっそりと暮らしている農民の村が有った
そんな穏やかな村も、今宵の、豊作を神に感謝し、また次の豊作を神に祈る宴の用意で慌ただしく、忙しくなっていた。
子供はあちこちを走り親の使いに出かけ、親である農民たちは宴で使う飾りや酒の準備をする。
そこにひとつの神が舞い降りる。
荒ぶる波の如き髪 そこに差し込まれた美しき櫛
誰が見てもこの世のものではないことが明らかであった。
農民A「ス、スサノオさま!ようこそいらっしゃいました!」
農民B「宴まではまだ時間が...」
そこまで言いかけた途端
独特の威圧を放つスサノオ
暗雲が立ち込める
一の巻 完