「えー、皆に話がある」
町長と名乗る人物が声を張り上げた。広場に集められた僕達は彼に顔を向けた。
「この度、命を落とした人々へ冥福を祈りたい。彼らはきっと、天の原へ旅立ったことだろう」
町長は天を見上げた。
「そして私達が生き残ったのは、こちらのEuclid殿一行のおかげである。彼らに感謝をしたい」
町長が手で示した先には、Euclidやフランがいた。ヲタクの姿はない。
「現在、宮廷から復興のために人材が派遣されているそうだ。彼らが到着するまで、Euclid殿一行は復興を手伝ってくださるとのことだ」
周りがざわめく。後でわかったことだが、Euclidは転生者初の騎士団長だという。転生して僅か数年で騎士団長へと登りつめた彼は有名で、そんな彼が手伝ってくれるというのは、かなりの驚きだろう。
「すげぇ」「Euclid様が？」ちらほらと声が聞こえる。同じ転生者でも、僕とは人生が違うのだろう。多分、彼女にフラれることもないんだろうな。なんか悔しい。うん。

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