亜美「あそこにあるのも墓石じゃない?」
隆起「そうだけど今は………」
亜美「吉河君の事は確かに心配だけど今は私達の心配をした方が良くない?」
隆起「………そうだね」
隆起「読むよ?」
亜美「うん………」
隆起「闇に呑まれし者、迷いの館奥、書庫にて快く待ちし事、迷宮の奥から世界は変わる」
亜美「相変わらずの中2感だね」
隆起「これによると吉河は書庫に居るのか」
亜美「でもさ………」
隆起「?」
亜美「何か………音がするの」
隆起「ゴソゴソしてる音か?」
亜美「違う、ギリギリと鉄が擦れる音」
隆起「………」
耳をたたせて聞いてみるが聞こえない、聞こえるのはやはり何かがうごめく音だけだった
亜美「………?」
隆起「どうした?」
亜美「音が止まった?」
隆起「どこでだ?」
亜美「隆起君の数メートル先」
自分はさっと視線を亜美から前方に向けるがやはり見えない。やっぱりだ、亜美にしか聞こえない音と俺にしか聞こえない音がある
隆起「………逃げよう」
亜美「え?……う、うん」
俺らは建物の中へと逃げ込んだ