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魔王様のお気持ちは #23 |
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ココアナ |
9/24 20:15 |
ありえない
俺の脳内にはまずその五文字が浮かんだ。
あのあと俺は無事人間の姿へと変化することが出来た。慌てて装備を整えて森の外に出てみれば、あの眼鏡の男が高度な炎魔法を唱えているじゃありませんか。
この森は昔、アイツ等と一緒に植えた大事な木が生えてる(今は勝手に増殖してる)のに…
とりあえず俺は、咄嗟につかんでしまった蜂蜜色をした髪の男の腕を引っ張り、『あの場所』へと連れて行くことにした。
「ハァ、ハァ、お、おい…まだつかないのかよ」
蜂蜜色をした髪の男が息を切らせながら言う。
「あともう少しですから!」
ザワザワと木の隙間を掻き分けると、とある池へと着いた。
「こ、ここです。」
少しの光を放つその幻想的な池に、疲れていた三人は思わずといった様子で息を吸った。
「魔王の森に隠されている、水の精が住む池です。」
隠されているってか、俺が作ったんだけどね。
この煌めく水の中には実際に水の精霊が住んでいる、恥ずかしがりやだけどとってもいい子だ。