「どうするんだい?」
謁見の間から出てきてすぐ、kazukiは龍鬼にたずねました。「どうするも何も、探すほかないだろう。断ればあの王のことだ。反逆罪は免れん。」
二人はヒソヒソ声で話します。どこで王の間者に耳をたてられているかわからないからです。「しかし探したってそんなもんあるわけがないだろう。所詮は噂だ。とはいえ見つけなければこれまた反逆罪。貧乏くじもついに俺たちに回ってきちまったか…。」二人には、こういったことで処罰された同僚がたくさんいました。次に誰が王の無茶振りで死ぬのかという話は、家臣たちの間で絶えたことがありません。中には、王が気に入らない家臣を処罰する口実をつくるための命令なんだと言う者もいました。二人の未来は暗く閉ざされたのです。彼らは肩を落としてトボトボと自分たちの家へと帰りました。家臣たちの家族は皆王に人質にとられます。そのため彼らはあまり結婚をしませんでした。この二人も例外ではありません。出迎えてくれる者のいない寂しい家を、二人は億劫な調子で目指しました。