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異世界召喚されたが誰もいなかった件#36 |
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鳥好き |
12/29 7:45 |
#36:赤いアイツ
零が森を進んでいるとふと気が付く事があった。
――魔物が全く出てこない
ずっと川に沿って歩いているはずだが、先程とは逆に「全く」出てこないのだ。
何か嫌な予感がしたが、想像もしたくないので考えないようにしようとするが、
1度考えた事を頭の中から消すのは
なかなか難しい。
そう思いつつ進んだ時。
急に森の木が開け、森を抜けた――
と、思ったのもつかの間。
ズシン、ズシンと重々しい音に地震のような揺れ。
思わず零が見てしまったものは…
零「う…嘘…だろ…」
鎧のようなツヤのある血の如く深紅の鱗。
みられただけで足がすくんでしまいそうな鋭い眼光。
太く長い尻尾。
そして大きな翼に角や大きな爪。
これは…
零「ど…ドラ…ゴン…」
日本ではゲームのボスとして何度か討伐したことはあったが、
ここではあったことすらない巨大なドラゴンを見て呆然とたちつくすのであった。