扉の外には、地獄のような光景が広がっていた。建物は燃え、崩れ、人々の死体も転がっていた。
「うっ…」
僕は気持ち悪くなり、吐いた。カイトと莉央は、ただ呆然としている。
「フランさん！」
若い男が駆け寄ってきた。
「Euclidさんは？」
「この中にいる。そっちの状況は？」
「町の人に協力してもらって、なんとか人手は足りてます」
若い男は汗を拭いながら言う。
「そう。この人達も診てあげて…」
フランが僕達の方を見たとき、ムーンライトの天井を突き破って、巨竜が飛び出してきた。周りの人々が悲鳴をあげる。
「爆炎！」
フランが巨竜に手を向け、叫んだ。すると炎の弾が発射された。しかし当たらず、巨竜は遠くへ飛び去ってしまった。
「逃げられた…」
「フラン！ヲタク！怪我人だ」
背後から声がした。そこには金髪の男、Euclidがサンプルを抱えて立っていた。
「おっさん！」
カイトが駆け寄るが、途中で足を止める。サンプルの右手が無かったのだ。

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