モモ達を見送り、図書館は静かになった。
「…何か隠してるよな」
カイトが言う。やっぱりカイトも思っていたようだ。
「あ!ヲタクさんが言ってた回復魔道士も来てるのかな」
莉央が言う。そういえばそんなことを言ってた気がする。モモのことは気になるが、まずはその魔道士にサンプルを任せなくては。
僕達は図書館を出た。すると出口のすぐ横に黒い服を着た男が立っていた。
「うおっ」
僕は驚いて声を出す。男がこちらを見た。
「あ…すみません」
謝ってみたものの、男は何も言わない。気まずくなる。
「田中に何か用ですか?」
カイトが尋ねる。男が口を開いた。
「…監視だ」
「え?」
何を言っているんだ。
「お前の監視をしている」